2008年10月11日土曜日

疾風怒濤の中弁連大会

中国地方弁護士会連合会
というものがあります。

中国地方ブロックの5県の弁護士会が集まった会です。
毎年一回大会を行っていて,開催地を5県で持ち回りしています。
今年は山口県が開催地でした。

大会では必ずシンポジウムを行うのですが
それも開催県で準備します。
そのシンポジウムを準備する委員になったのが昨年。
この1年,寝ても覚めてもシンポジウムの準備に明け暮れてきました。
テーマは「ITと弁護士」…だったのが,絞りに絞って

「ICT社会が子どもに与える光と影~ケータイ・インターネットとどう向き合うか~」

になりました。

子どもの道具をつかいこなすスピードははやいです。
大人の先をどんどん進み,携帯電話やネットを活用しています。
いろいろな社会問題も起きています。出会い系サイトや学校裏サイトなどなど。
それで子どものネット利用を抑制すべきではないかという意見が出てくるのももっともなのです。
しかし。

ネット利用を遮断するという手法でいいのか?
ICT社会の中で,情報を発受信の力をつける機会が奪われないか?

そんな問題意識でシンポジウムを開きました。
シンポジウムの様子は,県弁護士会HPにも掲載しました。

素晴らしいパネリストさんたちによって,バランスのよい議論ができました。
裏方なので,前日朝から当日夜まで会場を走りまわりました。
万歩計見たら,二日で2万歩を超えました。二日間とも同じホテルに居続けていたのに。

面白いシンポジウムだったので,ぜひ報道していただきたかったのですが,
某弁護士の水増し請求事件により,報道の話題がそちらにさらわれてしまいました。

なんで同じ日に。

しかも,接見回数をごまかすという方法。
刑事弁護を悪用するとは…。

2008年9月7日日曜日

下関のケーキ屋

下関でケーキを買うとすれば。
先日,ラウンジ海のおねえさんと話をしていて,教えてもらったのが「トリトリ」。

川中豊町にあるというので,家族に買ってきてもらいました。
こんがり風味のいちじくタルトがよかったです。

よしながふみ「西洋骨董洋菓子店」の神田エイジが自作の「地味だけど美味しいケーキ」を焼くシーンを思い出しました。

ほかは,
・チカヨー…シュークリームとチーズスフレがよかった。ほかのも美味しい。
・ガトーリボン…生クリームが信じられないくらい美味しい。さっぱりとした感じ。

■トリトリ
下関市川中豊町2丁目7-15
サンビレッジ三村ビル1F
083-254-4936

■チカヨー
下関市垢田2-7-11
083-252-6664

■ガトーリボン
下関市生野町2丁目34-6
083-255-2588

2008年8月31日日曜日

パンダフルライフ



書面を作成する仕事がたまっていて,日曜日も仕事です。
夕方まで証拠をにらんでいたら,思考能力が下がってきました。

気分転換に,「パンダフルライフ」を見に映画館へ。
映画館で,デトロイトメタルシティとスカイクロラに目移りするも,初志貫徹でパンダフルライフを選びました。

パンダのドキュメンタリー映画です。
今や1600頭しかいないパンダ。
絶滅させないために,中国では研究所でパンダ繁殖につとめています。
繁殖のために,子育ては半年で終わりにさせられ(子育てしているとホルモンの関係で発情しない),発情期にはお見合いをして相性のいいパンダを探し,想像妊娠するパンダもいる。

冷静に考えると,繁殖をがんばらないといけないパンダの状況はかなり過酷です。

それなのに,パンダの魅力あふるる映像を見ていると,ほんわかしてきます。
この映画は,とにかく,パンダのかわいさが売りです。
とくに子パンダに注目。

ごろごろするパンダ
だらだらするパンダ
ぐでぐでするパンダ

見ているだけで肩の力が抜けてきます。


さてと仕事します。

2008年8月29日金曜日

夏野菜



最近,仕事に追われて,家でごはんを食べていませんでした。
冷蔵庫の中で,野菜が腐りかけていたので,あわてていろいろ作りました。

献立 
・米飯 
・アサリとニラと卵のすまし汁 
・ゴーヤとたまねぎのサラダ 
・ししとうの炒め煮(桜エビ) 
・小松菜のナムル 
・ゴーヤとベーコンの炒めもの(かつおぶしかけ) 
・キューリとキャベツの浅漬け(しそわかめ) 
・からあげ 
・なすのミートソースグラタン 
 

食べきれるはずがなく,残りは明日に。

スーパーの地産地消コーナーの野菜が,美味しく安いのでありがたいです。

2008年6月29日日曜日

薬害肝炎説明会(山口市)

弁護士会主催の特定C型肝炎救済法適用説明会のお手伝いに行ってきました。
説明会にきてくださった方は約40人。

九州肝炎弁護団の後藤景子弁護士から救済法の説明。その後,個別相談会。

救済法の適用を受けるには,裁判手続が必要になります。
対象となる製剤も限定されており,血液製剤投与と肝炎発症との間の因果関係の立証も必要です。

とにかく,カルテやそのほかの資料があるのか。

カルテの保存義務期間は5年です。
問題となる製剤の投与は昭和39年から30年間にわたります。カルテ破棄,紛失,毀損は当たり前です。

証拠資料さえあれば,対象者と認定されるのに。

救済法の対象となる製剤とは異なる薬を投与された方もいました。
その薬も薬害の可能性があるかもしれませんが,いまはまだ救済法の対象ではありません。
国と肝炎弁護団の協議をお待ちいただくしかありません。

肝炎から肝硬変に進行した方。さらに悪化した方。
待つことなどできないでしょうに,「お待ちください」というしかありません。

救済法がどれだけ対象を絞りこんでいるのかよくわかりました。
ご相談をお聞きしながら,国と弁護団とのぎりぎりの和解交渉のニュースを何度も思い出しました。

それでも,患者さんが自ら遠慮されて名乗りをあげていないのではと感じるところもありました。
可能性がないのにこんな説明会まできてしまって,申し訳ないという雰囲気の方もいらっしゃいました。

可能性があるかないかは,お話をお聞きしないとわかりません。
とにかく,ご相談にいらしてほしい。

弁護士会は対策本部を設置し,対象者と思われる方を見つける作業を担当し,その後は,有志からなる弁護団に引き継ぎます。
わたしは,そのうちの対策本部をお手伝いしているのでした。

次は,薬害肝炎110番が行われます。
7月5日(土)午前10時から午後5時まで
083-920-8730(相談担当弁護士が無料で相談をお受けします)
http://www.yamaguchikenben.or.jp/kanen.html

2008年6月28日土曜日

法廷弁護技術研修

山口地裁(本庁)の裁判員裁判対応法廷で法廷弁護の技術を研修。

いかに説得的に,いかに効果的に,裁判員に語るか。
技術を磨かないと,裁判員の方々にわかりやすく,弁護側の主張のポイントを伝えられません。

しかし,ペリー・メイスンには,なれない。
難しいです。苦手感をぬぐえません。照れがどうしても残る。

私情100%ですが,裁判員裁判の実施を延期してもらいたいです。

キャッチコピー



女性の権利110番の電話番をするため,山口県弁護士会館へ行きました。
最近,山口市へ行く回数が多く,ちょっとバテぎみなので車ではなく電車で。

山口駅から会館に歩いていく途中,ふと気が付いたのがこの看板。

「杭を残して悔いを残さず」

なるほど…

だじゃれなのに思わずうなずいてしまいました。

2008年6月25日水曜日

天才の夭逝

今月は,氷室冴子先生が亡くなられたとの報せに大きくショックを受けています。
「銀の海 金の大地」の新作が刊行されなくなってから約10年。
どうにも待ちきれず,出版関係の友人の人脈で調べてもらおうと思った矢先の訃報でした。

少女小説で人気
一世を風靡

などのタイトルがつけられ,訃報は比較的大きめの記事となりました。
しかし,これらのタイトルにはぴんときません
氷室先生の作品のカテゴライズの設定が狭すぎます。
作品をまったく読んでいない記者がお書きになったのでしょう。

たくさんの女たち男たちを描いた氷室先生。
どの人々も魅力がありました。

瑠璃姫のようにがむしゃらに動き,
北里マドンナの麻生野枝のように自分の視点を持ち,
銀の海金の大地の佐保彦のように自分のコンプレックスとたたかい,
いつかは蕨が丘の小梅ばあさんのような楽しい老後にたどりつきたい。

幼い頃から,どれだけ,その作品世界に育てられてきたことか。
氷室先生が作り上げた人物は,生活や人生の折り目ごとに自分の中によみがえります。

氷室先生が,小梅ばあさんの舞踏会の手帖よろしく,
昔の知己を訪ねるエッセイをぜひとも読みたかったです。

2008年6月23日月曜日

模擬裁判本番

6月17日~18日に模擬裁判を行いました。
弁護人役を体験した感想です。

 裁判員制度:「真剣審理、体力も必要」 会社員ら模擬裁判--山口地裁 /山口
この藤沢記者の記事にもあるように,体力なくして裁判員裁判はのりきれないことがよくわかりました。
2日間だけとはいえ,全神経はりつめて,次の日は頭がぼおっとしてしまいました。

裁判員役の方にできるだけわかりやすく弁護人の主張を伝えたい。
その方法を模索するのが今回の模擬裁判における課題でした。

検察官と弁護人が,それぞれの主張する本件事件のストーリーを述べる「冒頭陳述」手続。
この手続で裁判官と裁判員は,検察官と弁護人がどんな事実を立証しようとしているのかを知ることになります。

今回はパワーポイントなども使ってみました。
裁判官・裁判員のお手元に説明資料も配ってみました。

それなりに準備したはずの模擬裁判の結果は…,あんなにマスコミの方がきていたのに,よくぞあれほど失敗をしてしまったことよと苦笑せざるをえません。
でも,得るところはたくさんありました。

そのうちの一つ。
パワーポイントは,そのアニメーション的機能ゆえに,「妙に派手でいやだ」という印象を持っている弁護士さんも多いようですが,アニメーションよりも重要な機能があることに気がつきました。

それは,一番核となる事実,要点となる情報を弁護人が考える訓練になるということです。

パワーポイントでは,裁判員の座っている位置から見えやすい文字の大きさは32ポイント以上です。
これに加えて,見やすい配置をすると,文字数はかなり限られてきます。

 この限られた画面を使って,裁判員に伝えたいことを書くとすればどんな言葉を選ぶか。

一番核となる事実を探りあてることになります。
要点を考える訓練になるのです。

ということに,もっと早く気が付けばよかった。
ぎりぎりの日程でパワポをいじっているうちにふと気が付いたところもありましたが,見通しが甘くて,本番までに間に合いませんでした。
まあ,パワポをいじってる段階で,事件の中核を探り当てようとすること自体,遅すぎる。
一夜漬けは無理でした(あたりまえ)。

本来なら,公判前整理手続中に,どの事実と証拠を中核におくのか決めないといけない。
そして,裁判の日を先取りして
パワポでうつしだすとしたらどの言葉を前面に押し出すのか,
証人尋問や被告人質問ででどんな言葉をひきだしたいのか,どの証拠のどの箇所を使うのか。
全部決めないといけない。

そこまで準備しておかないと,裁判員にわかりやすく説明ができない。
プレゼンも作れない。

そういうことを痛感した模擬裁判でした。
ヒントをあちこちからいただいていたのですが,結局,体験してみないとよくわかりませんでした。

まだまだ書きたいことはありますが,またそのうちに。

・おまけ・
パワーポイントはシンプルな機能だけの使用にとどめるなら,5分講座で初心者でも覚えられます。
一緒に弁護人を担当したI先生と5分だけの講座(弁護士向け)を開講したいぐらいです。

2008年6月15日日曜日

裁判員裁判の模擬裁判

裁判員裁判の模擬裁判が山口地方裁判所(本庁,山口市)で次のとおり行われます。

平成20年6月17日~18日 山口地方裁判所(本庁)
〔事件名〕殺人被告事件
〔予定〕
 第1日目(17日) 10:00-17:00 冒頭手続,証人尋問,被告人質問
 第2日目(18日) 10:00-17:00 論告求刑,最終弁論,評議,判決


これの弁護人役を担当することになり,今月はほとんどの土日をつぶして,書面を書いています。

亡くなった被害男性から殺されそうになって,思わず被告人女性が刺してしまった,正当防衛だという主張です。
背景にはDV。
いわゆる山本純子事件と呼ばれ,全国で模擬裁判が行われているようで,この模擬裁判の実施は山口で最後のようです。おそらく。

いままで担当した模擬裁判は,シナリオがあったのに,今度は,本当の事件に近いぐらいの準備時間が必要です。司法修習以来です,これだけ本格的な模擬裁判は。

裁判員にわかりやすく示すための資料をどう作るかで,頭悩ませています。
法律用語をどうやってかみくだくかが,かなり難しいです。

とくに正当防衛を法的に説明する,しかも,わかりやすく…というのが大変です。
それを本件のケースにあてはめて説明する場面がとくに。

公判前整理手続を模した事前勉強会が開かれ,裁判所や検察庁の考え方がわかり大変勉強になりましたが,そのために山口市までおもむく負担が,とてもきつかったです。
弁護士会の中でのうちあわせや勉強会ではテレビ会議システムを使って山口市に行かずにすんでいるので,法曹三者での協議会や勉強会においても,こういうシステムがあれば助かります。
移動時間や準備作業時間で失われた仕事時間を回復するため,この2か月,睡眠時間が不足気味です…。

2008年6月11日水曜日

取調べ可視化 ビラ配り&署名活動

取調べを録音・録画を求める「取調べ可視化」運動
ビラ配りと署名活動を終えました。

雨と風の勢いが強く,寒い夕方でした。
こんなに天候が悪いのに,

 ビラを受け取ってくださった方々,
 署名してくださった方々(約40名),
 説明を聞いてくださった方々,

ありがとうございました。

署名活動をはじめてしたので,その難しさを痛感しましたが
高校生の方々が一生懸命話を聞いてくれて,署名を積極的にしてくれたり
いきなり走って「署名しますから」といってくださった女性の方がいらしたり
知り合いの方が「あら大変ですね」と署名してくださったり。
はげまされました。

朝日新聞と毎日新聞の記者の方も取材をしにきてくれました。
寒い中,約1時間も見ていてくださいました。ありがとうございました。

どちらも12日の地方版の記事になりました。
ネットでは毎日新聞の記事が読めます。

取り調べ可視化:録画、録音を 県弁護士会がシーモールで街宣 /山口
毎日新聞 2008年6月12日 地方版〔下関版〕
http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20080612ddlk35040555000c.html

2008年6月9日月曜日

道路占用許可

日弁連が被疑者取調べの全過程を録画するように刑事訴訟法を改正しようという運動をしています(取調べ可視化)。
→ 日弁連の取調べ可視化ページ

そのために取調べ可視化を求めるビラ配り&署名活動といった街宣活動を全国各地で行っています。
下関でも11日にシーモール前あたりで17時から行います。

準備は刑事弁護センターの板淵委員長が着々としてくださっているのですが,
一応,わたしも県弁の下関地区会の幹事(地区会長のもとで事務をする係)をつとめているので,少々,お手伝いしています。

街宣活動をした経験がないので,ノウハウがさっぱりわかりません。

地区会から,タスキや署名活動用の画板,腕章,拡声器などを預かりました。
こんなものが地区会に保管されていたのかと驚きながら準備をしています。

ビラ配りや署名活動をするのに道路占用許可がいるのだと教えられ,今日は,下関警察署に申請をしにいく板淵先生の後ろについていき,また,各方面にご挨拶にいったりもしました。

いい経験になります。

2008年5月25日日曜日

ストーカー規制法

このところ新聞もテレビも,くだんのストーカーのニュースで持ちきりです。
どうやら,構成要件のことで否認しているようなので,改めてストーカー規制法の条文を見て構成要件を眺めてみました。

恋愛目的云々の点は,「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」(第2条本文)という規定文言に該当するかという議論の中で,メールの内容や量,電話の内容・回数等という客観的事情から推認できる事実とご本人の供述のどちらが信じられるかという話になるのでしょう。
規定の仕方を見ると,恋愛目的に限っているわけではない主観的要件ですが…。
まだ被疑者段階なのでこの点はこのへんで。

それよりも,気になったのは,ストーカー規制法の条文規定のあり方です。
拒まれているのに電話やFAXを送ることは構成要件として規定されていますが(第2条5号),拒まれているのに電子メールを送ることは構成要件として規定がなされていないことです。
従って,電子メールの内容が「行動を監視していると思わせる」「面会を求める」「性的羞恥心を害する事項を告げる」等々,2条の2~4号,7~8号にあたるという事情を咬ませないと「つきまとい等」「ストーカー行為」(「つきまとい等」が反復して行われると「ストーカー行為」になる)と言えないわけです。

ネット社会なのに,いまだにこんな規定なのねと驚いていたら,サイバー問題の第一人者の紀藤正樹弁護士が8年前からこの点を指摘なさっていたことを発見。
→ 「ストーカー規制法が成立したが・・・」(最終更新03/11/21)

ちなみに,犯罪白書を見てみると,ストーカー規制法違反事件の検察庁新規受理件数は,年間にして全国で200件もないようです。
「警告」が功を奏しているのか,認知が進んでいないのか。

女性向けのお店

10月10日に中国地方弁護士会大会が山口市で開かれます。
それに向けて,他県にいる友人の弁護士(女性)にこうお願いされました。

「大会の後に懇親会があって,その後に各自で二次会があるでしょう。
 その二次会で用意されているクラブやスナックは,どうも,30代女性向けではないのよね。
 山口市で,わたしら世代の女性も楽しめるお店を探しておいてよ。」

昨年度の大会でも,女性陣もくつろげる店に行きたいということになったものの,開催土地である広島市内の情報を持っていなかったので,あーだこーだと悩んだ挙げ句,ホテルグランヴィア広島の最上階にあるラウンジバーに行きました。
(そこはゆっくりできました)

そういうわけで,湯田温泉のダイニングバーやカクテルバーなどの情報を少しずつ集めています。

今のところ,気になっているのは次のところです。
10月までの間に雰囲気を見てこようと思っています。

  • バール・セーヌ(山口市湯田温泉3-1-15)
  • Dining Bar rocca(山口市湯田温泉3-7-5)
  • 浪漫酒場電氣ブラン(山口市湯田温泉4-1-8)
  • だいにんぐかふぇ和(山口市湯田温泉3-7-11)
  • ゆだカフェ(山口市湯田温泉4-1-7)

    昨日,ゼミの後輩たちと行った焼肉伊菜 虎(とらや)(湯田温泉1-11-31丸富ビル4F)も,結構落ち着いたお店でよかったです。

    ちなみに中国地方の女性弁護士の数は,山口5人,広島30人,岡山28人,鳥取4人に島根が6人。
    計73人。
    10年前と比べると,ぐっと女性弁護士の数が増えています。
  • 2008年5月24日土曜日

    薔薇の季節


    薔薇を育てるのが上手な某先生の奥様の薔薇です。
    何種類も育てていらっしゃいます。
    全国各地の薔薇園に行き,苗を持ち帰っているそうです。


    今度,薔薇の名前を教えていただかねば。

    2008年5月15日木曜日

    誤報

    山口県弁の内山会長が,日弁連の理事会に出るたびに県弁会員向けにレポートを配布してくれます。
    日弁連での議論状況がホットにわかるので,愛読しています。

    昨日配布されたレポートには,

    毎日新聞が「日弁連会長が『(弁護士は)ぜいたくを言わなければ就職できる』と発言」と報道したが,正確な発言内容は

    ぜいたくを言わなければ就職できる,といった状況をめざす

    であり,会長が抗議し撤回を求めたところ,毎日新聞側が陳謝したとありました。

    いま現在の話か,目標の話か。
    全然違います。

    文脈を無視した言葉の切り取りで,事実はいかようにもねじまがります。
    わたしも新聞を読んで,やはり憤りを感じていましたが,
    煽られていただけであったことに気がつき,ためいきがでました。

    陳謝したなら,撤回or修正or謝罪コメントでも出しているのかと思いきや
    ネット上の記事にはとくになにも加筆はされていませんでした。

    ネット上の情報はいつまでも残ります。
    今後,誤報への対応がどのようになされるのかが気になります。

    それにしても,日弁連が「ぜいたくを言わなければ就職できる」といった目標を立てなければならないくらい,若手弁護士の現実はほんとうに厳しいです。
    そちらのほうを報道してほしかった。ぜいたくを言わなくても就職できないのですから。

    問題の記事はこちらです(毎日新聞 2008年4月22日)

    2008年5月6日火曜日

    そこをなんとか

    白泉社から出ている「メロディ」誌に
    新人弁護士の生活をかなり詳細に取材して書いていると思われる
    「そこをなんとか」というマンガが連載されています。
    作者は麻生みこと先生。

    主人公は,新人改世楽子(かいせらっこ)弁護士です。
    名前がすごいのですが,女性です。

    4月28日発売の6月号掲載のお話は,
    裁判員裁判の模擬評議がテーマです。
    改世弁護士も模擬裁判員として評議に加わります。

    弁護士は裁判員にはなれません。
    なれないと言われると,私も模擬裁判くらい裁判員になってみたいのですが
    自然な形の評議にならないことを心配されているのか,模擬裁判員役すらやったことがありません。
    改世弁護士が(ちょっと)うらやましい。

    案の定,改世弁護士も,「発言は控えろよ 専門家がかき回したらシミュレーションにならん」などと言い含められるのですが,評議の様子を見ていると段々うずうずしてくるわけで。
    そこがストーリーの鍵になっています。

    本音レベルでの評議の予想内容が描かれていて,なかなかおもしろく読めました。
    法曹三者が作る,広報用の映像とは全然違います。

    「そこをなんとか」は既に第1巻が発売されています。
    この第2話の国選弁護の話が大好きです。

    弁護士ものの小説やマンガ,ドラマなどを見るときは,
    「そんな手続ありえない」「そんな制度じゃないよ」など,
    ストーリーとは関係がないところが,いちいち気になってしまい,
    心から楽しめる作品が少ないのですが,この作品はそんな心配を脇においておいて楽しめます。

    ひたむきに,一つ一つの事件に取り組んでいる,改世弁護士の活躍をこれからも楽しみにしています。

    2008年5月4日日曜日

    上臈道中

    5月3日,よく晴れてよかったです。
    しかし,結局わたしは仕事で見られませんでした。
    両親に上臈道中をじっくり見られそうなポイントだけ教えて,
    そこまで見送りしただけ。

    来年も下関にいるなら見たいものです。

    2008年5月3日土曜日

    ゴールデンウィークも山口で

    ゴールデンウィークは親族が山口までやってきてくれたので
    ほうぼうへ,案内をしておりました。

    長府功山寺(現在国宝の仏像公開中)
    …先日,九州国博での「五山文化展」にも行きましたが,そこに出品されていた功山寺の韋駄天立像はとても凛々しく素晴らしかったです。
    長府庭園
    みすず潮彩号で北浦海岸を眺めながら下関から仙崎まで。
    金子みすず記念館(この記念館はよく作りこんであり,充実してました)

    みすず潮彩号からの眺めが,絶景だったので,帰宅後に
    「ビデオにでも撮っておけばよかった…」とつぶやいていたら,
    「こんな動画があるよ」
    家族がいそいそと,DVDを取り出しました。

    「在りし日の長門機関区の強者達」(録音・撮影編集 宮下弘氏)

    かつて下関から日本海側を通って走っていたSLの動画です。
    SLだけでなく,現在のディーゼル車やみすず潮彩号,それから沿線の北浦の風景も映っています。
    取扱店は青山堂書店さんです。

    「こんなに美しい海なら,海が好きな母さんに見せてあげたいよ。でももう旅行はできないんだよな…」
    みすず潮彩号に乗車した父がこんなことをつぶやいていました。
    せめて,このDVDを祖母のところへ持っていくのもいいかもしれません。
    (祖母の家にDVDプレーヤーはあっただろうか)

    鉄道好きの方にも,海の風景好きの方にもおすすめです。

    2008年4月29日火曜日

    ブルーエトワール

    お客様に下関ならではの食材をとなると,お寿司・天ぷらやくじら・ふぐなどですが,それでは物足りないというときには,下関近海の素材を使ったフレンチの店にお連れしています。

    今回は,下関に遊びに来た叔母と叔母のおともだちと一緒に
    Bleu Etoile(ブルーエトワール)へ。

    3000円~4000円程度で十分な量の美味しいフランス料理が食べられます。
    家具調度類もモダンなものからクラシックなものまで取りそろえられていて,雰囲気のよいお店でした。

    Bleu Etoile [ フランス料理 ] - Yahoo!グルメ


    2008年4月27日日曜日

    モリのアサガオ

    郷田マモラさんの「モリのアサガオ」を読みました。

    新人刑務官が異例の配置で死刑囚担当となる話です。
    彼は死刑囚担当になったことにとまどい悩みながら
    死刑囚1人1人の人生を受け止めていきます。

    被害者遺族の気持ちを考えると死刑制度は必要。
    真に反省悔悟しても死刑にしなければならないのか。
    冤罪の人を死刑にしなければならないのか。

    一筋縄でいくはずもない死刑囚たちに対して,
    あきらめることなく彼らの内面を考えようとするところに
    共感しながら読みました。
    刑務官の方々の悩みに近づけるような作品でした。

    死刑制度については,折に触れて意見を求められます。
    光市事件の判決があったこともあって,考えざるをえない気持ちです。

    でも,いつも考えがまとりません。
    自分の家族が被害者だったら死刑廃止といえるのか。
    そこから動けないのです。

    しかし,自分が死刑の可能性のある被告人の弁護を担当したら。
    無期懲役判決ではなく死刑判決が下されれば,
    弁護の甲斐なく死刑となったことを悔やみ,
    自分が被告人の首に縄をかけたも同然だと,きっと思うことでしょう。

    死刑制度を続けるということは,死刑を執行するまでの間に
    何人もの役職者が,1人の人間を殺す過程に関わります。
    その点を横において死刑制度を考えるわけにはいきません。

    とはいえ,その点だけで死刑についてのこたえはでません。
    人は人を殺していいのか,人を殺した人を社会はどう扱うべきか
    根本的な問題が残るからです。
    こたえは出ないのかもしれません。

    せめて,死刑は慎重に執行してもらいたく,また,
    再審の要件を緩やかにしてもらいたいものです。

    2008年4月19日土曜日

    シンポジウム準備中

    中国地方弁護士会連合会大会は5県をまわりながら開かれます。
    今年の開催県は山口です。

    基調講演・シンポジウム・懇親会等のプログラムからなり
    シンポジウム部会に所属するわたしはその準備をすることになっています。
    IT関連法制を扱おうということになり,とにかく会員で勉強を続けています。
    パソコンや携帯を使わない会員も取り組む気になれる問題提起をするのが目標です。
    放送局,情報システムメーカー,自治体,日弁連コンピューター研究委員会の方々に講師になっていただいています。

    今日は,ソフトバンクの嶋聡社長室長の講義でした。
    ひょんなご縁で山口県までおいでいただきました。

    講演内容は,「有害」情報規制のためのフィルタリングについての国会での議論状況と情報通信法について。

    子どもの年齢に応じたフィルタリングができないものかと思っていたら
    すでにソフトバンクでは検討していました。

    まだまだ興味深い話をたくさんうかがいましたが,シンポジウム準備中なので割愛。

    弁護士の仕事をしていると,
    出会い系サイトを利用した援助交際関連の少年事件や児童買春関連の刑事事件,ネットオークション詐欺の刑事事件,ネット詐欺の消費者事件などに出会うので,その切り口からネットの問題を考えはじめています。

    しかし,ネットに対する国の方針ですら,経済産業省,総務省,内閣府,自民党・民主党とそれぞれが異なる立場や意見があり,一面的な理解ですませるわけにいきません。
    ネット社会を把握したい・自分の中に地図を作りたいと思っていますが,これからです。

    フィルタリングを強化しても,事業者が国外サーバーに拠点を移したら実効性はないとの嶋先生の言葉に,国外サーバーになると,日本から法的責任を追及する方法も困難で,ますます発信者の責任を追及できないことに気が付きました。

    今回のような大がかりかつ強力な法規制によるフィルタリングは,果たして本来の目的を達成できるのでしょうか。禁酒法の二の舞になりかねないかもしれません。

    2008年4月14日月曜日

    イサキ

    今日は,スーパーでおいしそうなイサキを見つけたので
    一尾買って,トマト煮に。

    東京に住んでいたころは,ほとんど魚なんてさばけなかったのに
    実家から「せっかく港町に引っ越したのだから」と
    魚の調理道具一式を送ってきたので,つとめて魚を食べるようにしています。

    山口で売っている食材は,素材の味がいいので
    多少料理の腕があぶなかしくとも,
    なんとか食べられるものに仕上がるのがありがたいです。

    トマトは,やはり垢田のトマトが大変美味ですが
    生で食べるとフルーツトマトのような甘い味がするので
    煮るともったいない。
    今日のトマト煮は普通の水煮缶で。

    2008年4月13日日曜日

    海峡まつり間近

    この土日は唐戸まつりだったようで
    唐戸港周辺のにぎわいが聞こえてきました。花火も見えました。
    でも祭りにはいけず,家事・仕事でつぶれました。
    抽選会くらい参加すればよかった。

    5月の海峡まつりで披露される
    上臈道中の上臈役の方々は,
    日本舞踊で名取になられた方の中から選ばれるのだと
    先日,下関の友人から教えてもらいました。

    下関で日舞を習う女の子たちは
    いつか上臈役に選ばれることをめざして稽古にいそしんでいるのだとか。

    2年前に初めて見たときは
    上臈役の方だけでなく,後見役やかむろ役の方々まで
    とにかく立ち姿さえも素晴らしく,下関には人材が豊富にいるのだと驚嘆しました。

    今年も晴れますように。

    2008年3月30日日曜日

    Notice&Takedown

    仕事に追われると,日常生活がすぐに犠牲になります。
    家の片付けが特に犠牲になります。
    今日こそはと思い,物置部屋に積んでおいたダンボールのうち
    8つを片付けました。

    片付けから逃れるためには,とにかく管理の対象物を減らすしかありません。
    「3年使わなかったものは,もう二度と使わない」
    その基準をたてて,物を仕分けていきました。

    司法試験受験生時代のノートなどは
    必死に勉強していた思い出が残っているだけに,
    捨てるかどうかとても迷います。

    しかし,法律も年々変わっているため,
    残しておくべきノートや資料類を厳選して
    思い切って捨てました。

    そんな中で,平成12年12月に民法の内田貴教授が
    法学協会主催の講演会をしたときのノートが出てきました。

    「IT時代の取引と民事法制」と題される,この講演会で,
    内田先生は,電子署名法の内容の解説と,
    UNCITRAL(国連国際商取引法委員会)における電子商取引についての議論状況をお話されていました。

    当時は,内容をあまり理解できていなかったのですが
    いま読むと,なかなかおもしろいです。

    お話の冒頭で,電子商取引の特色や,
    当時指摘されていた法的問題・その対策などについてのお話もありました。

    特に,インターネットでは悪質な行為も容易である問題についての対策について
    「参考になるのは,アメリカにおけるNotice&Takedown方式である。
     1.削除技術を有する仲介者に被害者が被害を申告する。
     2.仲介者が発信者に削除するかを問い合わせる。
     3.発信者が拒めば,被害者に発信者の情報を開示し,被害者は訴訟を提起できる。
     4.仲介者は手続さえ踏めば責任を免れることができる。

     この方式に対する批判として,発信者が企業に対して告発する場合などに,企業が「被害者」として名誉毀損訴訟を提起してくるので,告発がしにくいと指摘されているが,少なくとも被害者も発信者も自然人であるときは有効な方法である。」

    というメモが残っていました(8年前のメモなので,正確性は保証できません)。

    日本のプロバイダ責任制限法と各国の類似法を比較するとおもしろそうです。

    2008年3月29日土曜日

    からあげ大吉

    下関大丸で「九州うまかもん大会」ということで
    各地の名産品を売っています。

    今回のお目当ては,中津の「からあげ大吉」
    中津は唐揚げ屋さんだらけで
    福沢諭吉の記念館の食堂にもからあげ定食があるほどです。
    このまえのお正月に,からあげ食べ比べ旅行をしてきましたが
    からあげ大吉が一番おいしかったです。
    下味も工夫されていて,揚がり具合もからっとしていて。

    おかげで,今日の夕食はからあげです。
    考えなくてすみます。

    2008年3月26日水曜日

    本格的インドカレー屋ナンダン

    下関で美味しい店といえば。
    最近は,唐戸の「ナンダン」というインドカレー屋に通っています。

    以前,串揚げの岩濱があった場所に数ヶ月前にできました。
    串揚げのお店をそのまま居抜きで借りたのでしょう,
    内装は和風なのですが,ナンやタンドリーチキンを焼くための窯を設置して
    本格的なインドカレーを出してくれます。

    ランチは800円から。
    ナンはとてつもなく大きいです。
    でも,今まで食べたナンの中で一番おいしく,ついつい,全てをほおばってしまいます。
    食べきれなかったら,持ち帰ることが出来ます。ホイルに包んでくれます。
    ナンにはバターが上からふりかけられていますが,お店の方の話ではバターがいやなら,注文時にその旨を言えばよけてくれるそうです。
    カレーの辛さは7~8段階にわけられていて,自由に選べます。
    800円のランチに100円をたすと,ラッシーなどの飲み物をつけることができます。

    ディナーもいってみました。
    1500円でカレーと3種類のタンドリーチキンが食べられます。
    カレーとヨーグルトに漬けて焼いたタンドリーチキンがほんとうに美味しかったです。

    最初はインド人の方2人で必死に切り盛りされていましたが
    このまえ行ったら,3人目のインド人の方がいらしてました。
    夜も遅くまで開いているので,早めに閉めてしまうお店が多い唐戸ではありがたいところです。


    大きな地図で見る

    2008年3月25日火曜日

    法曹三者で勉強会

    6月に山口本庁で裁判員裁判の模擬裁判が行われます。
    わたしも弁護人の役をしています。

    この模擬裁判では,公判前整理手続を勉強会の形で行っています。
    裁判官,検察官,弁護士が集まって勉強しています。
    今日はその勉強会が開かれる日でした。

    山口で15時30分からという予定でしたので
    14時に車で出発することになり,午後が殆どつぶれます。
    土日をつぶし,月曜もがんばり,ほかの仕事をなんとか片付けました。

    その合間に模擬裁判の事件記録を読んで,各種書面を作り
    今日も朝から,もう1人の先生と打ち合わせをしました。
    がんばってみました。いつになく。

    なのに,朝10時に出勤してみると,急遽中止の御連絡。
    さらにお電話があり,実は先週から中止要請をしていたけれども,
    個々の弁護士への連絡が遅れたようだとのこと。

    力が抜けました。

    勉強は無駄にはなりません。
    眠い頭で山口まで運転するのは危なかったかもしれません。

    とでも思うことにします。

    2008年3月24日月曜日

    女性会員の数

    大学の出身ゼミから,現在の仕事内容を後輩に紹介する文章を書くようにとの依頼がありました。
    地方の弁護士の状態を解説してみてもいいのではとの恩師の言葉があったので
    うちの県では,女性の弁護士数が少ないのですよという話を書いてみました。

    山口県の女性弁護士数は5人(102人中)。4.9%。
    しかも,山口,周南,宇部,下関に分散しているので,女性の先生方と話すのは専ら電話です。泊まりがけで飲んでおしゃべり会をすることもあります。
    なお,ありがたいことに各事務所や弁護士会の事務職員の方々や裁判所職員の方々に女性が多いので,男性しかいない世界というわけではありません。

    中国地方の他の県も調べてみました。平成20年3月23日現在です。

    広島県…30人(347人中)8.6%
    鳥取県…4人(46人中)8.7%
    島根県…6人(40人中)15%
    岡山県…27人(229人中)12%

    割合だけで見ると,鳥取&島根よりも数値が低い。
    さらに全国と高裁所在地も調べてみました。

    全国…3608人(25092人中)14.3%

    北海道…57人(586人中)9.7%
    東京…868人(5458人中)16%
    一弁…580人(3331人中)17%
    二弁…588人(3349人中)18%
    大阪…455人(3263人中)14%
    愛知県…172人(1166人中)13%
    仙台…38人(284人中)13%
    香川県…7人(108人)6.5%
    福岡県…100人(756人中)13%



    こうして調べてみると,香川県が山口県に似ています。
    だからどうだというわけではないのですが,勝手にシンパシーを感じました。

    とにかく絶対数が少ない。
    隣の北九州部会には,114人中12人も女性がいらっしゃるというのに。

    2008年3月14日金曜日

    関門合同勉強合宿

    長門湯本温泉にて,北九州の弁護士の方々と下関の弁護士とで勉強合宿をしました。

    今年で8回目です。
    今年のテーマは

    1 関門地区での少年事件の弁護人の複数選任問題&管轄問題

    2 生活保護不支給問題(北九州での餓死事件3件と検証委員会の活動について)

    3 マンション管理における法律問題(マンション管理組合の規約の問題点,区分所有権法の不備等)

    4 労働契約法


    でした。どれもこれも充実した講義でした。講師の方々とスムーズな進行を実現してくださった幹事の先生方,本当にありがとうございました。

    1について少々触れてみます。昨年1月に発生したいわゆる門司港援交狩り事件で,少年審判により検察官送致処分になった少年たちは

     北九州で逮捕勾留→福岡家裁小倉支部に送致→山口家裁下関支部に移送・少年審判(身柄は北九州市の各警察署から山口市の山口少年鑑別所に)→山口地検下関支部に逆送→福岡地裁小倉支部に起訴(身柄は山口市から北九州市へ)

     という手続の流れをたどりました。

     難事件であったため北九州で複数の弁護人が必要だと,国選弁護人のほかに法テラスの協力の↓下,法律扶助による弁護人を付けたところ,裁判所により先に選任されていた国選弁護人が解任されるという問題が発生しました。


     昨年7月に最高裁が各地の裁判所に国選弁護人を複数選任する場合の指針を通達してからは,弁護人を複数選任することは認められやすくなりましたが,わずか3か月まえにはこのような妨害があったのです。

     また,少年審判が行われる裁判所について,北九州と下関の弁護士,弁護士会,検察官らから小倉で行うようにとの強い要望が出されたものの,下関で少年審判が行われることとなりました。そのために少年たちの身柄は北九州から山口市に移され,北九州で選任されていた被疑者弁護人の先生方はひきつづき付添人(家裁送致後は「付添人」となります)として活動することが困難になり,一部の少年たちの付添人は下関市や山口市の弁護士らが新たに担当しました。

     しかし,検察官送致処分(いわゆる逆送)になった少年の刑事裁判が,どこで行われるのかは最初からわからず,下関か山口で行われるとの予想に反し,福岡地裁小倉支部で行われることとなりました。このとき,付添人となった下関市の弁護士が少年の国選被告人弁護人に選任してもらうよう裁判所にお願いをしましたが,拒否されました。

     このような経過をたどり,少年たちは裁判所と身柄拘束地を転々とさせられ,そばにつく弁護士は何人も交代せざるをえませんでした。弁護・付添の一貫性の点からも,少年との信頼関係の点からも,今後このようなことを繰り返すわけにはいきません。

     関門海峡には,福岡高裁管内と広島高裁管内の壁が存在します。

     しかし関門地域では,管轄の壁とは関係なく,人的・経済的な深い交流がなされています。

     管轄と検察庁や裁判所の権限。

     形式的に運用するか,実情に沿って運用するかは,実務担当者の知恵と工夫と勇気次第です。関門地域での法曹三者の協議会を持つなど,まずはコミュニケーションを図る必要があります。今回の勉強会ではそんな議論がなされました。



     

    2008年3月1日土曜日

    ふぐ修習

    下関では,司法修習生にふぐの調理実習をさせるという社会修習を実施しています。
    もちろん,ふぐの毒を抜いた後の「身がき」が渡されます。
    包丁で薄くひくのは難しく,付添う弁護士らも,修習生と一緒に,苦労しながら挑みます。

    ふぐはなぜ薄いのか。
    と,思っていましたが,厚いと固くてまずい。
    あれは薄くないといけないのです。

    「ふぐの身はよく水分を拭き取ること。水分が多いと,ポン酢に水が入って味が変わってしまいます。」
    講師の先生の言葉に,美味しく食べるためのいろいろな工夫の積み重ねを感じます。

    司法修習の期間が短くなり,社会修習も減少傾向にあります。
    しかし,大学院,受験,司法修習は,何かと机の前に座っている時間が長いものです。
    実際に足を動かして現場に行ってみる機会は貴重です。
    世間知らずの法律家にならないようにという,修習委員会の工夫の1つです。

    以前は,前日から下関に入るというスケジュールでした(司法修習生は概ね山口市に住んでいます)。
    午前1時にたたきおこし,午前3時からの南風泊市場のせりを見学してから,調理実習をしていたのです。
    南風泊市場にのみ残ると言われる袋せりの見学は,漁業,市場取引,物流を体感する勉強にもなっていました。
    が,付添の弁護士らの体力の限界で断念。
    昨年からは,昼間のふぐの調理実習のみで実施しています。

    就職活動のために参加できなかった修習生もいらっしゃいましたが
    何かの機会に下関のふぐ産業を知ってもらえればと思います。

    2008年2月26日火曜日

    キーワード広告

    ネットで離婚手続の知識についてどう解説しているのか検索することがあります。

    そんなとき気になってしまうのが,googleのAdwords広告。

    「離婚」「親権」「養育費」などのキーワードを入れて検索すると,広告主のページへのリンクが表示されるように設定されているのでしょう。

    離婚して何かとお金のやりくりに困っている人をターゲットにしていると思われる,
    それらの広告の中には,

    どう見てもマルチ…

    の勧誘と思われるものが。

    googleのAdwords広告は,安価な割に効果が大きいということで,評判になっています。
    このgoogleの広告を自サイト内に組み込むところもあります。

    被害者が増えているのではないかと心配です。
    googleには御世話になっているのですが(このブログもそう)。

    2008年2月18日月曜日

    連絡がとれました

    今月は,少年院を出るはずの少年と
    刑務所を出所するはずの元被告人さんのことが気になっておりました。

    なんとか,お二人とも電話で連絡がとれました。
    よかった。
    どこに戻るかわかっていた方々なので,連絡がつきました。
    声をきけてほっとしました。

    別の少年(こちらも事件は既に終了)とも電話連絡が復活し,
    気がかり状態から少し解放されました。

    みなさん,まじめに仕事をしていたり,仕事を探していたり。
    がんばってください。
    そして,また御連絡ください。

    2008年2月15日金曜日

    法曹人口問題

    日弁連の会長選挙を機に法曹人口問題が各新聞の社説で論じられています。
    読んでいて,かなりの違和感を覚えました。
    みなさんの弁護士についての前提イメージが「高額収入を得ている」ということに拘泥している印象を受けたからです。

    「司法書士などの試験と同じく司法試験も法曹資格を得る試験にすぎず“生活保障試験”なぞではない」(東京新聞,2008.2.13)

    実際に食い詰めた弁護士が大量に出れば,事件屋につけこまれる・とりこまれる弁護士も出てくるでしょう。
    そういった弁護士が大量に発生しないよう,なんとか就職先を確保してあげなければと司法修習生の就職支援担当弁護士たちは,必死に現場で活動しています。
    しかし,かなり無理して採用してもらっているようで,現在修習している方(新61期)の就職先の分は残っていないと言われている地域もあります。

    外車を乗り回したい,高いレベルの生活をしたい。
    そんな夢が実現できなくなったから法曹人口を減らせと弁護士たちは言っている。
    各新聞の記者の方々はそう見ているように思えます。

    司法修習生の就職活動の現場をもっと見てもらいたい。
    とても取材したとは思えません。

    試験合格者数減少を主張する弁護士たちは,生活保護を受給するぐらいなら事件屋と提携する-そういう弁護士を増やすわけにはいかないという三百代言防止・消費者保護の観点からの危機感が根底にあります。
    現在,新人を採用している事務所も,過払金返還請求バブルがはじけたら,採用しなくなるかもしれません。今後就職できない修習生が何割かというレベルで発生するかもしれません。

    弁護士という資格には様々な職権が与えられています。
    事件屋提携弁護士が万が一増えれば,弁護士は職権を正当な目的で行使するという信頼がゆるがされるかもしれません。制度の根幹に関わることです。

    地方にいると,弁護士が少ないことはよくわかります。
    でも,人手が足りないのは,収益をあげられる業務ではありません。国選の刑事弁護や弁護士会務で人手が足りないのです。
    「弁護士不足の危機を感じるこれらの業務は、手間がかかる割に報酬が低いところが共通する。『仕事にあぶれる』は有り体に言えば『もうかる仕事にあぶれる』なのか。」(日経 2008.2.9)

    報酬が低いのではなく,低すぎるのです。手間がかかるのはいいのですが,とにかく低すぎる。
    国選の刑事弁護の報酬は,諸外国と比べても2分の1以下で,これでは事務局職員の給与等経費を確保することも出来ません。公判前整理手続や裁判員裁判制度で手間は何十倍にもなっています。

    「もうかる仕事」と「刑事弁護等公益的業務」の報酬があまりに格差がありすぎるのです。

    裁判官がゲストに招かれた大学の講義で,こんな話を聞きました。

    「人権活動をしたいなら,とにかく通常業務で通常の利益をあげること。そうでなければ,経済的利益を望めない事件を無理矢理訴訟にしたてて利益を得ようとしたりするなど,感覚が狂い,人権活動の筋を外してしまうことがあるから。」

    弁護士になった今も,そのとおりだと思います。
    日経は,弁護士業務の経済面について,もっと正確に分析してほしい。
    一部の非常に高額利益をあげている事務所ではなく,普通の,中小企業の会社員並の収入の弁護士の経済状況を調べてほしい。法社会学の教科書にも載っていることです。

    また,地方経済が横ばいから下向きである現状では,弁護士が地方で急激に増えても,パイは小さいままなので,みんなで貧乏になるだけでしょう。


    弁護士過疎地域の人手も,公設事務所ができてもまだ足りませんが,誰でもよいわけではありません。
    現在は,意欲のある有能な先生方がきてくださっているので大変助かっていますが
    弁護士過疎地域では,どんな事件にも対応する能力があり,狭い地域社会でも対応できるコミュニケーション能力のある先生でなければ,ニーズには応えられません。

    司法修習制度も徐々に短期化簡略化され,OJTといっても就職先もないのでは,質の心配をしないほうが非常識です。
    地方であれば,いきなり独立しても周囲の事務所がフォローしていますが,大都会の場合フォローしてもらえるのか疑問です。

    企業内弁護士,公共機関内弁護士のニーズも低いままで,裁判官や検事の数もあまり増えていません。
    ニーズの点からも,司法試験合格者数は減少方向で検討すべきであると思われます。

    2008年2月3日日曜日

    新人弁護士の経済的負担

    3人に1人の司法修習生が就職難だというニュースを読み,これからの新人弁護士はどれだけの金銭的負担を負うのかを考えてみました。

    ・法科大学院学費 
     国立 入学金約28万円  年間授業料約80万円  →2年で188万円  3年で268万円 
     私立 入学金約30万円? 年間授業料約150万円?→2年で330万円? 3年で480万円
     …貸与制の奨学金を利用したとすると,卒業時には300万円~400万円前後の債務が残る。

    ・法科大学院通学期間中の生活費
     月14万円として,2年で336万円 3年で504万円
    ・2010以降は修習期間の生活費は貸与制の修習資金 
     数年間は返還を据え置き,その後10年間の年賦等による均等返還(不確定ですが) 
     修習資金返還債務は200万円程度?

    ・弁護士登録時費用
     登録免許税     6万円 
     日弁連        3万円 
     各弁護士会     0~50万円

    ・弁護士会会費 
     日弁連         約2万円   
     各ブロックの連合会 約1万円 
     各弁護士会       3~7万円

    ・国民健康保険の保険料 
     月額1万円~4万円

    ・国民年金の掛金 
     月額14100円

    ・日本弁護士国民年金基金 
     上限は、月額68000円

    他にも食費等生活費,税金,損害保険掛金(火災保険・自動車保険),生命保険掛金等がかかります。
    修習終了までに500~600万円の債務を負担した上に,年収が下がって,生活できるとは思えません。この場合,「やむを得ない事情」があるということで,返済は猶予又は免除されるのでしょうか。

    従来は,勤務先から突然解雇されても,独立して短期間で高額所得が得られたので,労災保険も雇用保険もなくともやってこれましたが,今後は社会福祉を充実させないと,優秀な人材が法曹界から流出すると思います。

    2008年1月20日日曜日

    偽証罪の立件

    偽証罪の起訴が10年で5倍になったとの中日新聞の記事(2008.1.20)を読みました。
    ちょうど読みかけていた「市場と法-いま何が起きているのか」(三宅伸吾氏著・日経BP社・2007.10刊)のp.117-120でもこの点がとりあげられていました。
    この2つの情報を重ねてみて,時系列で並べてみると…

    2004   東京地検 飲酒無免許運転の被告の取引業者が身代わり偽証を起訴
    2004   京都地検 弁護士が暴力団幹部らによる強盗致傷の被害者と偽証共謀を起訴
    2005  東京地検 報酬をもらって被告の婚約者になりすました女性を起訴
    2006.05 東京地裁 覚せい剤事件の公判で偽証 懲役1年6月
    2006.10 横浜地裁 懲役1年6月
    2006.12 東京地裁 耐震偽装建築士が国会で偽証 懲役5年,罰金30万 
    2007.01 前橋地裁 窃盗事件の公判で他人が犯人と偽証 懲役1年2月


    情状証人のなりすましの件を見て,本当に被告人の関係者かわからない人が情状証人になることを申し出てくることがあるので気をつけようという話を思い出しました。
    弁護士も,わざと偽証させるのは論外ですが,だまされないよう気をつけねばと思います。過剰な立件で業務が萎縮させられてはたまりませんが。

    ただし,上記の本によれば,これまで偽証罪での起訴が少なかった理由として
    「検事も偽証するので,他人を責められないのではないか」
    「取り調べ検事はなかなか本当のことを言わないものだ」
    との元特捜検事の話を紹介しています。

    偽証罪の立件が進むのであれば,自白の任意性を争う手続の中で,捜査機関側の取り調べにおける状況の証言をより真実に近づけてほしいものです。
    とはいっても,取り調べの可視化が進めば,任意性判断の有力証拠が法廷での証言から録画映像に変わっていくでしょうから,捜査機関側が偽証罪に問われる場面も減るのではないでしょうか。

    裁判員裁判の模擬裁判

    1月18日,山口地裁での裁判員裁判の模擬裁判で,弁護人役を担当しました。
    書面を見ずに法廷で話す練習をするのに,ちょうどいい機会となりました。
    事案は,ひったくり強盗により高齢女性に全治3か月を負わせてしまった共犯事件。
    自白事件で,情状弁護がメインです。

    模擬裁判を終えた後,もう1人の弁護人役のS先生とどうしたら裁判員にわかりやすく説明できるのか,反省会をしました。

    ・パワーポイントは,かえって気が散って,内容があたまに入らないと思う(今回は使わなかった)

    ・箇条書きのレジュメを渡して,それを見てもらいながら冒頭陳述や最終弁論など被告人側のストーリーを聞いてもらう。

    ・裁判長からは冒頭陳述・最終弁論後に記憶喚起用の文書も渡してはどうかというご意見。

    ・「初犯」→「刑事事件を起こしたのは初めてで,犯罪傾向が進んだ人とは言えません」
    など,いつも使っている言葉をわかりやすい表現・論理に組み替える必要あり。

    などなど。

    裁判員裁判は「わかりやすさ」を考えざるをえず,
    専門的用語がとびかう法廷で被告人にもよくわからないまま刑事手続が終わってしまい,被告人が何を反省したらよいのかさっぱりわからない
    …という裁判を少しでも減らすことにはつながるのかもしれません。

    先日,日弁連で行われたアメリカから講師を招いての法廷弁護技術研修では,
    劇場で話すかのような弁論技術の訓練がなされたと参加者から聞きました。
    参加してよかった,弁論術・レトリック術を学ぶ機会があってよかったという話もありました。

    私も学ばねばなりません。

    ただ,今回の模擬裁判において,裁判官と裁判員が結論を出すために評議をしている様子を見ていたところ(模擬なので特別に見ることができました),裁判員の方々は,

    「弁護士の舌先三寸に丸め込まれずに真実を発見し,その上で被告人の処罰を考えたい」

    そんな雰囲気で議論しているように見受けられました。

    プレゼン技術は必要だと思いますが,やりすぎないよう・ひかれないよう気をつけないといけないのかもしれません。